ウェルビーイング思考 副腎疲労との闘い

副腎疲労症候群からの回復と善き日常を目指す記録

生まれつき副腎疲労症候群になりやすい体質がある?神経が高ぶりやすいHSPとは

今回の記事では、副腎疲労症候群になりやすい体質として、生まれつき神経が高ぶりやすい「敏感すぎる人(HSP)」というものが関係しているのではないか、ということについて考えてみます。

敏感すぎる人「HSP」とは?

敏感すぎる人(HSP : Highly Sensitive Person)とは、生まれつき神経が高ぶりすぎる傾向を持って生まれた人のことです。これは遺伝的なもので、目の色や肌の色が異なるのと同じレベルの話とのこと。心理学者のエレイン・アーロン氏による以下の本で詳しく解説されています。

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

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この本に挙げられているHSPの特徴をいくつか抜粋します。

  • 他人の気分に左右される
  • 痛みにとても敏感である
  • カフェインに敏感に反応する
  • 美術や音楽に深く心動かされる
  • あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
  • 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
  • まわりの人の気分や感情に大きく左右される
  • 空気中の物質に敏感である。花粉症やじんましんなどにかかりやすい人が多い
  • じっとしているのが得意だ
  • 人に頼み事をするのが苦手
  • 自分に自信がない
  • 心配性
  • 完璧主義
  • 自尊心が低い

私はほとんど当てはまります…ほぼ間違いなくHSPですね。

HSPと副腎疲労症候群の関係

個人的に、HSPは、副腎疲労症候群と何らか関係しているのではいかと考えています。生まれつき神経が高ぶりやすいということは、生まれつき視床下部ー下垂体ー副腎が働きやすいため、コルチゾールが人よりも多く分泌されることが多く、結果的に副腎疲労症候群になりやすいのではないか、と。上記の本にも、副腎疲労症候群を匂わせるような内容が出てきます。

  • ある研究によれば、生まれつき敏感な子どもたちを調査した研究では、乳幼児期に不眠、腹痛、便秘が多かった。心拍数ももともと早く、普通の子どもよりコルチゾールを多く含んでいた。1年後追跡調査をしたところ、新しい状況に対して高いレベルの恐怖を示す確率が高かった。

さらに、生まれつき神経が高ぶりやすいうえに安心できない環境で育った場合はますますこの傾向が出やすく、心身の不調につながることがあるようです。以前「副腎疲労症候群とトラウマ - 辛い身体症状の原因は抑圧された感情だった?」で取り上げたような内容に近いものです。幼少期の愛着障害やトラウマがさらに悪影響を与えるということですね。

  • 子どもが母親に、安心できる庇護を感じている場合、ストレスに対して長期的なコルチゾール反応は見られない。一方、安心できる庇護を感じていない場合は、長期的な神経の高ぶりを起こす→こうしたケースの母親は、過保護か、ほったらかしだったりした
  • 環境があまり健全でないと、子供はとりあえず生き延びるために、養育者に適応しようと必死になるので、ある種の気質は水面下に潜ってしまう。そうやって隠れてしまった気質は、大人になってから、ストレス関係の身体的症状などのかたちをとって再び現れる。
  • いったん不健全なアタッチメントを身につけてしまうと、心理療法の中で安心できるアタッチメントを抱くことを覚えないかぎり、一生そのまま変わらない
  • 安心感のなんたるかを知らぬままに外の世界へ出ると、あなたは自分を不安にさせるタイプの人ばかり選び出して人間関係を結んでしまうので、結局安心感は得られないままに終わってしまう
  • 子どもの頃に、周りの人が、やめてと頼むとやめてくれる、神経が高ぶったときに助けてくれる人だったなら、信頼を得られ、恐怖をコントロールできるようになる。この信頼を小さいときに得られなかった場合は、成長してから慢性的に不安感を持ったり、社会を避けたり、自分が本当にしたいこと、したくないことがなかなかわからなくて悩むなどするようになる。これは生まれつきではなく、学習したもの
  • 問題を引き起こすのは、遺伝的な資質ではなくて、慢性的な神経の高ぶりすぎや子ども時代のトラウマ→慢性的な神経の高ぶりすぎはコルチゾールを増加させ、最終的にはセロトニンを減少させる

いかがでしょうか。心当たりはありませんか?(私は大いに当てはまります…)

同様の話は、スーザン・ケイン氏による『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』にも載っています。

  • 生まれつき扁桃体が興奮しやすい乳児は外界からの刺激に対して大きく反応し、成長すると、初対面の人間に対して用心深く接するようになる
  • 高反応の人はアレルギーや花粉症と関連している
  • 高反応の子どもはランの花のように周囲の影響を受けやすい→両親の不和や虐待などに非常に脆弱で、うつや不安、社会不安障害に襲われやすい
  • 内向型なのに、十分な回復のための場所なしに、長期間にわたって自分の性格に反して行動すると、自律神経系の活動を亢進させ、結果として免疫機能の働きを弱めることになる

HSPや内向型人間だとして、じゃあどうすればいいのか?

まず大前提として、HSPや内向型人間には優れている点がたくさんあるということを忘れてはならないということです。上記の2冊によれば、HSPや内向型人間には以下のような優れた点がたくさんあると述べられています。

  • 直感に優れ、たくさんのアイデアを思いつく
  • 物事を深くよく考えるため、他人が気づかない問題点に気がつく
  • 芸術や音楽の方面で才能を発揮することが多い
  • もっとも成功している経営者や営業職には内向型人間が多い

また、現代社会は非HSPや外交型人間が賞賛されすぎていると警笛を鳴らしています。進化論的な見地から考えても、生まれつきHSPや内向型人間のような人が今も一定数いるということは、進化的に必要だから淘汰されずに残っているのだと主張されています。まずはHSPや内向型人間である自分をしっかり受け容れることが重要です。

そのうえで、幼少期の家庭環境に問題があったなどの理由で副腎疲労症候群のような心身の不調に悩まされている場合は、これまでに潜在意識に植え付けられてしまったトラウマや、思考・行動パターンを少しずつ改善していく必要があるでしょう。『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』にも以下のように述べられています。

もし子ども時代に、世の中はすべて恐ろしい、とプログラミングされていたのなら、何年かかろうともセラピーなどの内的な仕事を通じて、このプログラミングを変えなければならない

また、この本では、向精神薬抗不安薬などにHSPがどう向き合うべきかについて「第九章 医者と薬とHSP」に一章分割いて解説されています。副腎疲労症候群の場合、こういった薬を飲むべきか悩むことも多いと思いますので、一読されることをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、生まれつき神経が高ぶりすぎる傾向を持って生まれた人であるHSPと、副腎疲労症候群の関係について取り上げました。副腎疲労症候群で悩んでいると、つい「なぜ自分はこんな症状になってしまったのだろう」と悔やんだり、「つい自分を責めてしまったり、人の顔色がものすごく気になってしまうのはどうしてなんだろう、どうしたらこのクセが治るのだろう」と考えてしまったりすることがあるのではないかと思います。しかし、この傾向が「生まれつきのものである」としたら、どうでしょうか。ほんの少し、気が楽になりませんか?

そしてこの傾向は、良い方向に活かすことができます。進化の観点から、人類にとって必要な傾向なのですから。良い方向に活かせるようになるためには、心理セラピーの力を借りる必要があるかもしれません。副腎疲労症候群への心からのアプローチを考える際に、HSPや内向型人間という傾向について知っておくことは、きっと役に立つのではないかと思います。

また、学術的な面でも、副腎疲労症候群のような症状とHSPの関係が証明されるような研究結果が出てくると良いなと思います。